2023/07/08 15:26
皆様はお雛様が着物を着る前の状態がどうなっているかご存知ですか?
実はお雛様の中身は、「胴体」が中心にあるのです。
どんな「胴体」を使うかは、メーカーさんや職人さんによって様々。
スタンダードに使われている胴体は、藁胴(わらどう)と木胴(もくどう)の2通りです。
藁胴とは、その名の通り藁を束ねて作った胴体のことで、木胴とは主に桐(きり)を削って作る胴体のことを指します。
藁胴の長所は軽量で加工しやすく、比較的安価であることが特徴です。
短所としては、タバコシバンムシという藁に生息する虫が雛人形の胴体を食べてしまうことがあります。
もちろん対策として燻蒸をして防虫している物もあります。
一方、桐を使った木胴は、高価なものが多く手に入りづらいのが現状です。
しかし型崩れを起こしにくく、虫食いにも合わないため耐久性に優れているのが特徴的です。
さて前置きが長くなりましたが、
HARUKURAで使われている胴体は桐の木胴です。

一つ一つ作家の手で木胴を調整します。

左側が加工前、右側が加工後です。
ミリ単位の調整が、のちに着物を着せつけるときに重要なポイントになってくるのです。
そしてここで春蔵のこだわりがもうひとつ。
木胴に腕を接着するときに、一般的には腕を胴体にそのまま接着させるのですが、
春蔵では胴体に切り込みと特殊な加工をすることで、肩の真下に腕を接着しています。
こうすることで、頭が前のめりにならずに人間の自然な骨格を再現することができているのです。

真横から見ると、 頭→肩→腕 が一直線になっており、姿勢のよいお雛様に仕上がっていることが分かります。
皆様もお雛様を見る際は、真正面だけでなくぜひ真横からも見て楽しんでみてくださいね。
それでは、また^^