2023/08/14 20:30


今日はお雛様の着物についてのお話です。

お雛様に触ってみると、衣裳に硬さがあるのを感じます。

実はお雛様の衣裳作りでは、生地の裏側に和紙を貼り付けているため硬さを感じるのです。



生地の裏面に和紙を貼り付けるのには理由があり、
一つ目は生地の強度を高めるため。
二つ目は衣装の形を型取るためです。

春蔵で使用している和紙は、和紙の町・小川町にある鷹野製紙所様の丈夫な和紙です。
しなやかさもありつつ硬さもあるちょうど良い塩梅の和紙を作っていただいています。


数千枚もの和紙に糊をつけ、生地に貼り付けていきます。
これを「裏打ち」と呼びます。

春蔵では、1年分のお雛様の裏打ちを夏頃に行い、例年2週間はアトリエで裏打ちの作業のみに没頭します。



和紙の端に、線状に糊をつけていきます。



生地に和紙を貼り付け、あわせてこの段階で柄合わせも行います。

この柄合わせが、春蔵の左右対称な着物を作るのにとても重要なのです。


 
お雛様を手に取る機会があれば、ぜひ衣裳を触って、感じて楽しんでみてくださいね。