2023/09/16 12:39
今日はお殿様の着物についてのお話です。
普段何気なく見ているお殿様ですが、制作の様子を観察していると
高い技術の必要な工程であることに驚きましたので、皆様にシェアしたいと思います。
まず着物の身の部分に衿となる細長い生地を縫い付けていきます。

次に平面的だった衿を湾曲させ、立体的な構造を作っていきます。
細かい作業のため、目打ちなどの細い先端で調整しながら衿元を起こしていく必要があります。

なんとなく完成形に近づいてきましたね。


このようにして平面から立体に生地の構造を変化させる部分を作るのは、職人歴の長い作家でなければ難しいそうです。
着物を着せつけるとこのようになります。

こうして全体を見ると、本日触れたお殿様の衿元というのはとても細かな一部分に過ぎませんが
難易度の高い工程が含まれていることが分かりました。
価値の高い作品や、人々の心に響く物というのは、制作の裏側にたくさんのストーリーやこだわりのもとに成り立っているんですね。
「モノ」を見るときは、そうした背景についても想像させていきたいと感じました。
執筆:デザイナー Yukina Tsuda